今週末、前作『選挙』の上映会が山梨と東京で行われます! ぜひ、この機会に一緒に<選挙>について考えてみませんか? ++++++++ ≪選挙ってなんだ!?≫『選挙』上映+山内和彦さん来場 日にち:1月11日(日) 時間;1 […]
大変お待たせいたしました。 『選挙2』のDVDが紀伊國屋書店より、 1月31日(土)に発売されます。 舞台は、2011年4月の川崎市議会選挙。映画『選挙』(07年)では自民党落下傘候補だった「山さん」こと山内和彦が、今回 […]
年末年始の特集上映『見逃したっ!!!映画特集』@アップリンクで『選挙2』の上映が決定いたしました! 気が付いたら上映が終わってた・・・もう一度観たかった・・・ 2013年上映作品の中から見逃せない25作品を一挙上映!!! […]
「ドバイ国際ドキュメンタリー映画祭2013」に『選挙2』の正式招待が決定致しました。 今年の「Muhr Asia Africa Documentary/アジア・アフリカ・ドキュメンタリー・コンペティション部 […]
舞台は、2011年4月の川崎市議会選挙。震災で実施が危ぶまれた、あの統一地方選挙だ。映画『選挙』(07年)では自民党の落下傘候補だった「山さん」こと山内和彦が、完全無所属で出馬した。スローガンは「脱原発」。自粛ムードと原発「安全」報道の中、候補者たちは原発問題を積極的に取り上げようとしない。小さな息子のいる山さんはその状況に怒りを感じ、急遽、立候補を決意したのだ。かつて小泉自民党の組織力と徹底的なドブ板戦で初当選した山さん。しかし、今度は違う。組織なし、カネなし、看板なし。準備もなし。選挙カーや事務所を使わず、タスキや握手も封印する豹変ぶりだ。ないないづくしの山さんに、果たして勝ち目は?
監督はもちろん、『選挙』『精神』『Peace』『演劇1・2』の想田和弘。そのカメラに映ったものは、放射能におびえながらも整然と機械的に営まれる日本的日常。祖国の大ピンチに際しても政策論争が起きず、相も変わらず繰り広げられるお馴染みの選挙風景。山さんが丸腰で挑む選挙戦から浮き彫りになるのは、ニッポンの民主主義の姿だ。前作『選挙』では第三者然としていた想田。しかし本作では撮る者と撮られる者の摩擦が次第に高まるにつれ、その「状況」に巻き込まれていく。観察映画のカメラは、もはや単なる傍観者ではいられないのだ。選挙イヤーの日本。「わたしたち」は、いったいどこへ行こうとしているのか? 想田観察映画が、再び世界に問いかける!
「東日本大震災について、想田さんは映画を作らないんですか?」
2011年3月11日以来、そういう質問を僕は何度問いかけられたであろうか。その度に僕は、こう答えてきた。
「いずれ、作ることになると思います。いや、作らなければなりません」
そう、僕が応じていたことを、原発震災から2年が経過した今、たぶんほとんどの人は忘れているのではないか。しかし、僕はそんなやりとりの中で、必ずこう付け加えたものである。
「ただ、作るとしても、みんなが震災のことを忘れかけたころになると思います」
『選挙2』は、まさにそういう映画になったように思う。
いや、実は僕ですら、震災直後の川崎で「山さん」こと山内和彦の選挙運動を撮ったことを、ほとんど忘れかけていた。山さんが徒手空拳で挑戦した川崎市議会選挙を撮ったはいいものの、そこで目撃した風景が何を意味し、それに対して自分がどういう態度を取ればよいものか、僕にはよく分からなかった。そのせいで、長い間、僕には撮った映像素材を編集したいという意欲が湧かなかった。そのうちに、撮った事実すら、記憶から薄れつつあったのだ。
ところが、2012年の12月16日、その状況が一変した。
衆議院選挙で安倍晋三率いる自由民主党が圧勝し、政権交代が起きたのである。
僕は突然、1年半前に撮った映像を観てみたくなった。そして観ながら、「今なら編集できる。編集してみたい」という気持ちがムラムラと湧いてきた。かつて目撃した風景について、「ああ、あのとき観たものは、実はこういうことだったんじゃないか」と、にわかにひらめくものがあったのである。
そして、その言葉にならないひらめきがどこかへ消えていってしまわないうちに、僕は一気に編集作業を終えた。ドキュメンタリーの編集が常にそうであるように、それは自らが生きた過去を現在の視点から解釈し編み直すための作業であった。
その作業をしながら一番驚いたのは、震災直後の未曾有の混乱の中で、しかし極めて整然と機械的に行われた小さな市議会選挙に、震災後の「ニッポン」の限界と可能性を予見する要素が凝縮されていたということである。
わたしたちの現在と未来の姿は、すでにそこにあったのだ。
では、それはどんな姿形をしているのか。僕にはまだ、うまく言語化できていない。
しかし、『選挙2』には、たしかにそれが映っている。
僕の目には、祖国・日本とわたしたちの姿が、たしかにこのように見えている。
1970年栃木県足利市生まれ。東京大学文学部卒。スクール・オブ・ビジュアルアーツ卒。93年からニューヨーク在住。NHKなどのドキュメンタリー番組を40本以上手がけた後、台本やナレーション、BGM等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。その第1弾『選挙』(07年)は世界200カ国近くでTV放映され、米国でピーボディ賞を受賞。ベルリン国際映画祭へ正式招待されたほか、ベオグラード国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリを受賞した。第2弾『精神』(08年)は釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞、マイアミ国際映画祭で審査員特別賞、香港国際映画祭で優秀ドキュメンタリー賞、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭で宗教を超えた審査員賞を獲得するなど、受賞多数。2010年9月には、『Peace』(観察映画番外編)を発表。韓国・非武装地帯ドキュメンタリー映画祭のオープニング作品に選ばれ、東京フィルメックスでは観客賞を受賞。香港国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を、ニヨン国際映画祭では、ブイエン&シャゴール賞を受賞した。2012年、劇作家・平田オリザ氏と青年団を映した最新作『演劇1』『演劇2』を劇場公開。著書に『精神病とモザイク』(中央法規出版)、『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)、『演劇 vs. 映画ードキュメンタリーは「虚構」を映せるか』(岩波書店)。共著に『原発、いのち、日本人』(集英社新書)等。
都道府県 | 劇場名 | 電話番号 | 公開日 |
北海道 | シアターキノ | 011-231-9355 | 上映終了 |
山形県 | フォーラム山形 | 023-632-3220 | 上映終了 |
宮城県 | チネラヴィータ | 022-299-5555 | 上映終了 |
東京都 | シアター・イメージフォーラム | 03-5766-0114 | 上映終了 |
神奈川県 | シネマ・ジャック&ベティ | 045-243-9800 | 上映終了 |
神奈川県 | CINEMA AMIGO | 046-873-5643 | 上映終了 |
愛知県 | 名古屋シネマテーク | 052-733-3959 | 上映終了 |
長野県 | 松本シネマセレクト | 0263-98-4928 | 上映終了 |
石川県 | シネモンド | 076-220-5007 | 上映終了 |
富山県 | フォルツァ総曲輪 | 076-493-8815 | 上映終了 |
大阪府 | 第七藝術劇場 | 06-6302-2073 | 上映終了 |
京都府 | 京都シネマ | 075-353-4723 | 上映終了 |
兵庫県 | 神戸アートビレッジセンター | 078-512-5500 | 上映終了 |
岡山県 | シネマクレール丸の内 | 086-231-0019 | 上映終了 |
広島県 | 横川シネマ | 082-231-1001 | 上映終了 |
広島県 | シネマ尾道 | 0848-24-8222 | 上映終了 |
山口県 | 山口情報芸術センター | 083-901-2222 | 上映未定 |
愛媛県 | シネマルナティック | 089-933-9240 | 上映終了 |
福岡県 | KBCシネマ | 092-751-4268 | 上映終了 |
佐賀県 | シアターシエマ | 0952-27-5116 | 上映終了 |
大分県 | シネマ5 | 097-536-4512 | 上映終了 |
沖縄県 | 桜坂劇場 | 098-860-9555 | 上映終了 |
内田樹(凱風館館長)
何よりも主人公(というのかしら)“山さん”の変貌ぶりに驚いた。彼はほんとうに怒っている。
原発事故のあとの日本の政治全体に対して。
この怒りはまっとうなものだと私は思う。
そのまっとうさに正面から向き合わない人々の姿をカメラはそのまま、剥き出しに、映し出している。
岡田利規(演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰)
無所属候補の山さんは、政治の現状への怒りをバネに市議会選挙を敢然と闘う。そしてこのドキュメンタリー映画の監督、想田和弘もまた、公のために表現を行うアーティストとして、撮影過程で遭遇する生々しい圧力と、毅然と闘う。
『選挙2』には、この誇らしい二人のヒーローの闘いが、くっきり記録されている。
宇都宮健児(弁護士)
東日本大震災と福島原発事故直後に行われた川崎市議会選挙であるにもかかわらず、有権者である市民の中で政策に関する議論が全く沸き上がっていない。配布するビラ・ポスターの規制、戸別訪問の禁止など、公職選挙法による多くの規制・制限がそうさせている。公職選挙法の多くの規制・制限は、現職の候補者や既成政党を有利にさせ、有権者である市民に候補者の政策や人格について議論する場を与えない選挙にしている。
わが国に民主主義を育てるためにも、公職選挙法を大胆に見直し、自由な選挙活動を可能にする必要がある。『選挙2』は、このことを痛感させる映画である。
ECD(ラッパー)
この映画の冒頭で主人公である山さんは他候補のことを「選挙やるのになんで皆、主義主張をしない?」と言い放つ。しかし、それは前作「選挙」での山さんも同様だった。
「選挙2」での山さんは「選挙」の山さんと同一人物とは思えないほどの変わり様である。
ひとは変われる。それは3.11以後の日本で唯一と言っていい希望だと思う。
大野更紗(作家・大学院生)
現代日本の記録者、想田和弘。彼がふたたびニッポンの「選挙」を撮った。奇妙でシュール、魑魅魍魎が跋扈する。これって現実?これが現実。
笑えないのに、笑えちゃう。ああ、ヘンなニッポンの「選挙」!
佐々木 敦(批評家)
山さん、ストライクス・バック!!!いまだかつて、こんな「政治ドキュメンタリー」が、そしてこんな「反原発映画」があっただろうか?
と同時に、これは一種の「活劇映画」でもある。
このヒーローならざるヒーローの、破天荒で孤独で悲喜こもごもの戦いを、われわれ観客は固唾を呑んで見守ることになる。
土屋 豊(映画監督)
優れた観察者の視線は意地悪だ。対象者が意識していなかった方向にそれは向く。
カメラがそれを顕わにした時、観察者も対象者も、そして観客も新しく何かを発見する。
ドキュメンタリーが生まれる。
想田和弘の今回の観察は、前作以上に発見に満ちている。
その発見に一番驚いているのは、想田本人だろう。